本記事では、「勢いでフリーランスになる人が辿る悲惨な末路」という、
少しネガティブではありますが非常に重要なテーマについて解説します。
フリーランスという働き方は今や珍しくありません。
「身近にもたくさんいる」「自分もフリーランスだ」という方も多いのではないでしょうか。
私自身も4年ほどフリーランスとして活動しており、
会社員の方との関わりが少なくなるほど、フリーランスが当たり前の環境になっています。
しかし、フリーランスが身近で気軽になりすぎたがゆえに、
「フリーランスになるのはそれほど難しくない」
「自分にもできるのでは」
このような考えで独立し、苦労する人が後を絶ちません。
なぜこう言い切れるかというと、過去の私がまさにそうだったからです。
フリーランスになった経緯の詳細は別の記事に譲りますが、
当時は勢いと甘い考えでフリーランスという働き方を選択し、大変な思いをしました。
この経験を踏まえ、本記事では読者の皆さんが同じ失敗を繰り返さないよう、
・フリーランスの実態
・悲惨な末路を回避するための対策
これらについて実体験を元に解説します。
悲惨な末路を辿るフリーランスの実態
フリーランスには様々な職種がありますが、
本記事ではWeb系、特に以下のスキルで仕事をしているフリーランスに焦点を当てます
・動画編集
・Webデザイン
・Webライティング
これらのスキルは参入障壁が低く、フリーランスとして始めやすい反面、悲惨な末路を辿りやすい傾向があります。
エンジニアのように実務経験が必須の職種と比べ、これらのスキルは数ヶ月の学習で案件を獲得できてしまいます。
それゆえに安易にフリーランスになりがちです。
なのでこのようなスキルを身につけようとしている方は特に注意が必要です。
では、悲惨な末路を辿るフリーランスの実態は以下の通り(無論全て経験済みですw)
①低単価案件での疲弊
②不安定な収入でメンタル病む
③実績が溜まらない
④複数のスキルに手を出す
⑤自己投資の沼にハマる
①低単価案件での疲弊
最初は信頼も実績もあまりないためどうしても依頼される仕事が低単価の案件になりがちです。
そこで疲弊してしまうフリーランスは多いです。
私も最初、動画編集でフリーランスになったのですが、
最初の頃は低単価案件にかなり疲弊していた記憶があります。
1本1万円の動画を2週間かけて納品してました・・・
最初の編集に10時間くらいかかり、
そこから修正&修正で一向に納品が終わらず
結局20時間以上はかかってたと思います。
当時はほぼ休みなしで働いて月15〜20万円しか稼げず絶望してました。
②不安定な収入でメンタル病む
これもよくあるパターン。
フリーランスは会社員と違って毎月決まった給料が入ってこないのは当たり前なんですが、
無意識的に会社員的なマインドになっている方は意外と多いです。
なぜか目の前の案件が毎月継続して続いてくれると盲信してしまう。
会社員みたいに仕事が保証されるわけではもちろんないので
ある日突然契約が切れることも普通に起きます。
僕も半年くらい安定的に月10万くらい入ってきていた動画編集案件が
突然チャンネルごと停止して収入源がなくなったという経験があります。
③スキルや実績は意外と溜まらない
これは実際になってから気づいたことなのですが、
ただ単にフリーランスとして活動してるだけではスキル・実績は溜まっていきません。
なぜならフリーランスというのは基本的にその人が出来る仕事しか与えられないからです。
当時の自分は
目の前の仕事を通してスキルと実績が溜まっていき、
自然に単価も実力も上がっていくもの
と都合良く考えていましたw
当然、スキルは自分で能動的に身に付けないといけないですし
実績も、ただ仕事をこなすだけでは積み上がっていきません。
気づいたら目の前の案件をこなすだけに必死で、
作業の連続になってしまうというのは意外と落とし穴です。
④流行りのスキルに手を出す
はい、ここからさらに沼にハマっていきます。
先ほどのとおり、目の前の仕事をこなすだけではスキルも実績も溜まっていかないというのはわりと早い段階で気づくのですが、
そうなるとよりスキルアップ、単価アップしていくために
新たにスキルを身につけようとしますね。
ここでやりがちなミスが
流行っているという理由だけで、今の仕事に関連しないスキルを新たに身につけようとしてしまうことです。
更に言うと、求められていないスキルを身につけようとすることですね。
これに関しては別記事でガッツリ解説する必要があるくらい重要なテーマのですが
限られた時間の中で、求められてもいないスキルを身につけようとして上手くいかないのは容易に想像できると思います。
僕の経験でいうと、
動画編集者として低単価で疲弊していた頃、
「動画編集だけじゃアカン!」
「もっと単価の高い別のスキル身に付けな!」
と岡山県民なのになぜかエセ関西弁が出てくるくらい焦りを感じておりました。
その結果、目の前の動画編集をおろそかにして当時流行っていたLステップ構築という副業に手を出すわけです。
その結果1年半やって1案件も仕事が取れずフェードアウトという悲惨な末路が待っておりましたw
これに関しては割と笑えないレベルの失敗談なのですが
・低単価案件での疲弊
・不安定な収入でメンタル病む
・実績が溜まらない
などによる焦りから間違った意思決定をしてしまうのは非常にあるあるです。
⑤自己投資の沼にハマる
「成長するには自己投資が大事」
「独学は遠回りだからお金を払って先人から学んだほうが早い」
これを読んでいる勤勉なあなたであれば何度も耳にしている言葉だと思います。
この意識が”悪い意味で”染み込みすぎて自己投資の沼にハマるというのはフリーランスのあるあるです。
数万円のnoteやBrainを自己投資という名目で購入、
購入しただけで満足し、ロクに実践もせず「もっといい教材があるはず!」と繰り返す。
これを教材ジプシーとも言います。
そもそも、自己投資に限らずですが、投資で重要なのは「するかしないか」じゃなく
「上手いか下手か」です。
株や証券で損をするのは嫌うくせに、情報商材だとなぜかそこに対して曖昧にしてしまう人が多いです。
当然ですが、回収できない自己投資を続けていくとお金に余裕はなくなり
私生活にもどんどん悪影響が出てきます。
悲惨な末路を辿ってしまう根本原因
これらの状態に陥ってしまう根本的な原因は、環境の緩さにあります。
人間は環境の奴隷
フリーランスは会社員と異なり、全ての意思決定を自分で行う必要があります。
・請ける案件の選択
・身につけるスキル
・自己投資の内容
さらには、
・労働時間
・起床・就寝時間
も基本的に自由です。
一見理想的に思えるこの状況ですが、こういった状態になると人間は間違いなく低きに流れます。
人間は環境に大きく影響を受けるため、与えられた環境の中で最も心地よい状態を作り出そうとします。
・低単価の案件を請けてしまう理由は
スキルがないのではなく単価を上げて提案するのが怖いから
・流行りのスキルに手を出してしまう理由は
今をスキルを伸ばすことに向き合いたくないから
・教材ジプシーになってしまう理由は
学んだあと実践に移すのがめんどくさいから
このように、人間の本能は安全で快適な状態(コンフォートゾーン)に留まろうとするため、環境的に成果を出しづらい状況に陥ってしまうのです。
少し不快でも価値のある選択を取り続けられるかが大事
フリーランスに限らず、持続的な成果を出すためには、
「少し不快でも価値ある選択を継続すること」が重要です。
具体的には
・収入を右肩上がりに伸ばす
・プライベートも充実させる
・理想的なフリーランス生活を送る
これらを実現するには、自分の意志だけでなく、環境によって良い行動を習慣化することが鍵となります。
人間は本能的に楽な方向へ逃げようとするため、
・朝、少し早めに起床する
・目の前の案件にコミットする
このように、本能的には避けたくなるが価値のある行動を継続できるかどうかが、
悲惨な末路を回避するための重要な要素となります。
悲惨な末路を回避するための対策
では先程から言っている悲惨な末路を辿らないために具体的に何をすればいいのかです。
結論、無駄なリスクを取らず、確実に成果の出る状態(環境)を作ることでほぼ100%回避できます。
具体的には
①固定収入を作る
②仕事を絞る
③副業で本業以上の収入を6ヶ月継続して稼いでから独立する
この3つを押さえておきましょう。
特にこれから独立を考えている人に知っておいてほしい内容です。
①固定収入を作る
独立したとしても固定収入は作っておきたいです。
例えば、動画編集は1本〜円といった単価制で仕事を請けることが多いのですが、
そうではなく、月固定で請ける方がいいです。
固定で請けるメリットは
・収入が安定する
・メンタルが安定する
・仕事のスケジュールが立てやすい
・クライアントにとっても管理コストが低い
といった感じでフリーランス、クライアントお互いWin-Winになること多く
特に駆け出し時期は実績も信頼も溜まっていない状態なので、
毎月一定の仕事量を確保してお金を頂きながらそれらを溜めていくことがとても重要です。
いきなり固定報酬は難しいかもしれませんがそれ前提で立ち回りましょう。
③仕事を絞る
仕事はなるべく絞りましょう。
一点突破は必須です。
特に駆け出し時期は、焦りからか「もっと仕事をしないと!」となり
雑多に案件を請け負ってしまいがちです。
確かにそれで収入は上がるかもしれませんが、リソースが分散してしまうので
どれも中途半端になってしまう可能性が高いです。
例えば動画編集者で月15本納品できるリソースがあるのであれば
A社から5本
B社から5本
C社から5本
よりも
A社から15本に絞るべきです。
「でもそれだとA社から切られたときに収入がなくなるのが怖い」
とリスクに感じられるかもしれませんが、
実際はリソースが分散してしまう方が、切られるリスクは高まります。
クライアントからしても、月5本しか編集してくれない編集者より
月15本編集してくれる編集者の方が、マネジメントの手間も少ないので楽です。
そして
・月15本も編集してくれている編集者
・月に5本しか編集してくれない編集者
この両者だと切られやすいのは後者です。
なのである程度コミットしてくれる人を簡単には切ることはできません。
(切ってしまうとまた新しく編集者を探さないといけないから)
こうやって説明すると至極当たり前のことなのですが、
駆け出し期は焦りが先行してしまい間違った意思決定をしてしまいがちなので注意です。
このあたりの考え方はエッセンシャル思考という本を読むのがめちゃにおすすめ
③副業で本業以上の収入を6ヶ月継続して稼いでから独立する
これは独立する前になりますが、1つ具体的な目安として
本業収入以上を6ヶ月継続して稼げるようになってから独立するといいです。
そもそも焦ってフリーランスになる必要は全くないです。
焦らず地に足つけてから独立した方が、結果的に楽になります。
まず、限られた副業の時間で会社員以上の収入を稼げれば、
独立したタイミングで会社員の3倍稼げるようになるというのも容易になります。
単純に会社に充てていた時間をフルで使えるようになるので
そして、それを6ヶ月継続して稼げるまではどれだけ上手くいく見込みがあっても独立はしない方がいいです。
フリーランスは会社員の方が思っている以上に不安定です。
わりと安定と言われる受託業(動画編集やWebデザインなどのクライアントワーク)ですら
ある日突然契約が切れることがおうおうにして起きます。
つまり、
「契約切れが起きても次の月から復活できる状態」を担保できるまでは無理に独立するのは反対というわけです。
その目安が6ヶ月間です。
人によっては長く感じるかもしれませんが、長い人生なので焦らず着実に進みましょう。
まとめ:フリーランスだけが全てじゃない
というわけで今回は以上です。
フリーランスはあくまで手段であって目的ではないです。
フリーランスを志す理由として多いのは
・ある程度自由な時間に仕事したい
・満員電車に乗りたくない
・自分のスキルを高めたい
・裁量権を持って仕事をしたい
このあたりですが、ぶっちゃけ会社員として実現できる会社も多いです。
僕が今業務委託で入っているAIベンチャーは、
・フレックス制で10:00~15:00以外の勤務時間はある程度自由(8hは確保する)
・フレックス制なので満員電車を回避できる
・汎用的なWebやAIのスキルがバンバン身につく
・逆に決まり切った仕事の方が少なく提案次第ですぐに責任者ポジションになれる
と言った感じで割と多くのフリーランスが望む環境なんじゃないかと思います。
この会社ではないですが、ぼくが別の会社でWebマーケターとして転職したときの記事も貼っておきます。